ドキュメント転職 (5)

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2014年6月25日。朝、いつもの通り出社すると、課長と並んだ企画部長に
「ちょっと話しようか」
と声をかけられ、会議室にいざなわれた。
  
もちろん、ICレコーダは3系統録音をかけておいた。
 
で、席につくなり企画部長は
「7月末と言わず、すぐにでも辞めてもらいたい」
と言い出した。
 
驚いた俺が、
「それでは次の会社に移るまでの社会保障などはどうなるのでしょうか」
と問い返すと
「有給が余ってるだろうから、いまの部署で扱っている製品の機密漏洩があっても困るので退職日まで出社しなくてよい」
と直ちに転換した。
 
何の根拠もない、一種のパワハラ発言でしかないんだろうけど、部長にもなって密室で脅せばいいという思考回路が何とも幼く拙いというか、この録音が出るところに出たら困るのは誰なんだろうと思いつつ、一応、神妙そうな顔をしておいた。
 
午後には、人事総務部門の担当者2名とも面談したが、ここでは特段の脅しはなく、退社意思の再確認をされ、
「転職先とは8月1日入社で合意済み。早めに報告するのが礼儀にかなっていると判断したのでこのタイミングで申し上げた」
旨回答した。
 
その後、社内のイントラネットでで退社日までの有給休暇を一括して申請。

退職願の文言は予めチェックしておいた。
 

退職願
今般×××××のため、平成××年××月××日をもって、退職致したくご許可願います。
尚、在職中に知り得た秘密事項については、これを開示漏洩いたしません。また、これを利用する一切の競業的行為を退職後2年間行いません。

 
これが指定の文言。「尚〜」以降を削除して印刷したうえで記名し、実印を捺印して机の中にしまっておいた。
義務のない事柄に署名する必要はない旨、エージェントも弁護士も口を揃えて言っていたし、それは俺も同感だったから。
それにしても、退職願が自分を縛る宣誓書と一体化しているというのは、なかなかよく考えたものだと思う。
 
やや慌ただしい1日になったけれど、まともな出勤日としてはこれが最後となった。
 
(つづく)

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shibuyade
英語ができないのに外資ではたらくことになったガジェット好きサラリーマン。都内在住。2014年より「渋谷ではたらく外資系社員のBlog」を開設。尊敬する人:チェザーレ・フィオリオ

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