就活概論 (8) 英語について

この記事の所要時間: 353

「英語が話せると就職に有利ですか?」「どうしたら英語が出来るようになりますか?」という質問をよく受ける。
 

英語が出来るって?

英語を話せない俺にこの質問をされても困るんだけど、否応なく外国人と接することになる海外営業や外資系企業を志向するのであれば、有利不利以前に英語が出来なければならないだろう。
では、英語が出来るというのはどういう状態なんだろうか?
 
TOEICやTOEFL、英検のスコアーや等級は確かにひとつの指標にはなるだろうし、良いスコアを持っていたならば、面接官がエントリー・シートを見た時に「お、この人は英語が出来るんだな」と思ってくれるのは間違いないだろう。言い方を変えれば、そう思って貰うことが有利になる業種を志望しているのならば、学生のうちからスコアーを上げる勉強をせっせとしておくべきだろう。前にも述べた通り、エントリー・シートは貴方のカタログなのだから、カタログ・スペックを上げられるものならば上げるに越したことはない。ただしこれは、英語が出来るかどうかという本質とはあまり関係のない話。
 
英語が出来るというのは、ボキャブラリや表現方法を知っていることももちろん重要だけど、それ以前に、見知らぬ相手との対話を恐れない気持ちの方が時として大事じゃなかろうか。
街角で道を訊かれたり、明らかに道に迷っている観光客を見かけた時に、受け答えを出来るだけの気構えと心の余裕を、貴方は持っているでだろうか。日本人相手の日本語であっても。
 
エントリー・シートに「私の長所はコミュニケーション能力の高さです」とか書いていながら、道行く人が困っているのにシカトしたりしてませんか? コミュニケーションの機会をみすみす逃したり、自分から拒否してる人のコミュニケーション能力って高いの?
 

英語以前の問題その1:コミュニケーションを取る意思

俺は英語が上手とはとてもいえない。でも、この前渋谷駅で、見るからに困っていそうな外国人夫婦を見かけたんで、”Need a help?”って訊いてみた。そしたら、細かい単語は分からないけど、新宿に行きたいらしいことが分かったんで、自動券売機の前に連れてゆき、ローマ字が併記された運賃表を指さして一緒に値段を確認して、券売機のボタンを示して”English, here”と英語に切り替える方法を教えてやり、150円の切符を自分で買わせた。全部俺がやっちゃうと、帰り道に困るだろうから。1番線に乗れば良いので、”Go to Gate 1, Shinjuku is 3rd station”と伝えて別れた。難しい単語や構文は一切必要ない。
コミュニケーションを取る意思があれば、英語が出来る出来ない、ボキャブラリがあるない、正しい表現を知っている知らないに関わらず、大概のことは伝わるのだと思う。
 
反対に、格好良く外国人と語り合っている自分の理想像を頭に浮かべるだけで、その実、自分の言葉が通じなかったり、恥ずかしい思いをしたらどうしようなどと尻込んでいると、いつまでたっても「英語が出来る」状態にはならないような気がする。そして、そんな風に自尊心だけ高くて一向に実践しようとしない人材を、企業は求めているだろうか?
 

英語以前の問題その2:日本のことを知っていますか

英語を使う、すなわち外国人と会話をするということは、日本の文化・風習について英語で説明する機会が増えるということでもある。
 
「キュウとココノツはどう違うのか?」
「江戸幕府はショーグンが国を治めていたというが、バクフとは何か? ハンとは何か? またこの間エンペラーは何をされていたのか?」
「日本のエンペラーは神道の祭祀者でアマテラスの子孫だと聞いている。アマテラスが神道の教祖なのか?」
「広島のあたりを中国地方と呼ぶけれど、チュウゴクとはチャイナと同じ意味だと聞いた。彼の国と何か関係があるのか?」
 
これらはみな、俺が実際に外国人から訊かれた質問。どれも面白くてかつ鋭い問いかけだと思うけど、本来あるべき意味での国際化とか英語が出来るというのは、こういう場面で、淀みなく適切な英語で、相手に分かるたとえや歴史背景を交えて説明できることなんだろうなと考えさせられた。
 
多くの人が「英語が出来るようになりたい」と口にはするけれど、実際には、何か課題をこなせば上達するといった単純なものではなさそうだし、上達出来る人というのは、願望を口にするよりも、実際に上達のためのヒント探しに取り組んで自ら動いているのではないかと思う。
 
(つづく)
 
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shibuyade
英語ができないのに外資ではたらくことになったガジェット好きサラリーマン。都内在住。2014年より「渋谷ではたらく外資系社員のBlog」を開設。尊敬する人:チェザーレ・フィオリオ

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