[書評] リテイク・シックスティーン

高校に入って、クラスメートになった孝子は突然自分に秘密を打ち明ける。

「あたし、未来から来たの」

ういうこと? 人生をやり直す? 日常に闖入してきたファンタジーにたじろぎながら、そして、孝子の言うことがあながちウソではないことに気づかされながら、高校生活に邁進してゆく主人公。

サイエンス・フィクションに用いられがちなタイムスリップは、孝子や自分をどう変えるのか、変えないのか。

一人ひとりが抱える悩みや葛藤、家庭の事情やクラスの人間関係、そのすべてが混ざった青春の日々が鮮やかに描かれる佳作。

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