就活に読書は必要だろうか?
読書の意味
これまた新聞と同じで、ファッション気分で急に読み始めても、自分の血肉になるとは思えない。付け焼き刃で本を読んでみても「面白かったです」「昔の人は偉いと思いました」なんていう小学生並の感想しか出てこないんじゃなかろうか。
最近は、思想信条に関わる質問になるという考え方から、面接で読んだ本について感想を問われることは減っているらしいので、読書に焦点が当たることは少ないかも知れない。また、いくら本を読んでいたとしても、その魅力を伝えられなくては、只の自己満足、独りよがりに終わってしまうだろう。
他人に伝える
いま「魅力を伝える」と述べたけど、これは就活の要諦のひとつかも知れない。貴方のことを何も知らない人に向かって、貴方の魅力すなわち何がどう良くて、他の人じゃなくて貴方でなくてはいけないのかを、面接という限られた時間で説明して且つ相手に同意してもらわなくてはいけないのだから。
そう思うと、自分の読んだ本についてあらましや興味を引いた点を極力簡潔に、分かりやすく他人に解説できるだけのスキルを持つことは、単に読書から知識を得る以上に、就活において有用な鍛錬になるかもしれない。
おすすめの本は?
「どんな本を読んだらいいですか?」というのは、言葉を選ばずに言えば一種の愚問だと思う。自分の空腹を満たすのに「僕は何を食べたらいいですか?」という訊き方をする人はあまりいないと思います。訊くにしても、自分がどういう知識を得たいのか、どういう分野に関心があるのかを予め示すべきだよね。パン屋に行って「パンください」としか言わないお客がいたら、周囲の人はとても不思議で厄介なお客だなぁと思うだろう。僕が愚問と言い切る所以です。
とはいえ、いくつか読みやすい本を紹介しておきたい(順不同):
- 『もう、きみには頼まない – 石坂泰三の世界』 城山三郎・著
- 『昭和16年夏の敗戦』 猪瀬直樹・著
- 『何者』 朝井リョウ・著
- 『男の系譜』 池波正太郎・著
- 『国家なる幻影』 石原慎太郎・著
- 『就活のバカヤロー』 大沢仁、石渡嶺司・共著
- 『不格好経営』 南場智子・著
- 『英語屋さん – ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』浦出善文・著
- 『安息の地』 山川健一・著
- 『タイニー・タイニー・ハッピー』 飛鳥井千砂・著
- 『戦時少年 佐々淳行』 佐々淳行・著
思い浮かべるまま並べてみた。就活に直接関わる本は少ないと思うけど、世に溢れる数多の情報や事象から、自分が向かうべき道に進む為のヒントを得ていただきたいし、人が十人十色である以上、そのヒントの最適解はご本人にしか分からないものだと思う。
図書館の活用
読書にあたっては、図書館の活用を是非頭に入れていただきたいと思う。大学の図書館はもちろん、地元の公立図書館にも色々な本が充実している。図書館によっては、ネット上で蔵書を検索したり、読みたい本を取り置いてもらうこともできる筈なので。
(つづく)
shibuyade
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