俺、前から全日空って実はブラック企業なんじゃないかと思ってたんだけど、厚生労働省にとっくに認定されてた(笑)。
裁判事例【第6回】「退職勧奨とパワーハラスメント」 ― 全日本空輸(退職強要)事件
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/judicail-precedent/archives/6
「CAとしての状況をオッケーといえない」
「質問してもほとんど答えない。表情とかみているとCAにむいていない」
「こういう状態ではエマ訓なんかない。東京でエマ訓なんかしてくれる人はいない」
「旅客が全日空から離れていく。そんな人が乗務してたら」
「口で今後やっていきますと言うのは他のCAに対して失礼」
「別の道を考えるべき」
「普通は辞表を出すものよ」
「組織の外でわがままをいって欲しい」
「別の道を考えては」
………(;´Д`)ナンダコノカイシャ
この厚労省のサイトを読み込むと、面白いポイントが幾つか見て取れるんで、紹介したい。
1. 退職勧奨
「退職勧奨自体は、会社が従業員に退職を促す行為であり、そのことから直ちに離職などの法的効果は生じません。したがって退職勧奨のみをもって、会社が従業員に損害賠償責任を負うものではありません」
つまりは「嫌がらせ行為自体は違法じゃないぞ」って厚生労働省が認めているわけだ(笑)。これは全日空の社員以外も覚えておくべきポイントかも。
とっかえひっかえいろんな奴が来て口頭でネチネチやってくるのも決して違法じゃないわけで、精神的に参らせて、その苦痛から開放される唯一の手段=自分から退職届を書く、にまで持ち込ませようとするんですな。
全日空の広告のコピーに「きたえた翼は、強い。」っていうのがあったと思うけど、皆さんよっぽど鍛えられてるんですね。
2. 賠償
この方は嫌がらせに屈せず、裁判の末に解雇無効を勝ち得たけど、それ以外に得られたのは「常軌を逸した退職強要があった部分」について50万円+弁護士代だけ。精神的な苦痛や裁判やそれに至る法律相談等々に費やした時間に較べれば相当に少ない賠償だと思うけど、見方を変えれば、
・ 会社はどんだけ嫌がらせをエスカレートさせてもOK
・ 嫌がらせをし過ぎた結果裁判に持ち込まれたとしても、せいぜい100万円規模の支出で済んでしまう
・ すなわち、会社側は実質的に何らダメージを受けない
とも言えるわけ。巨大組織である会社に一社員が追い込まれた場合、後者はいかにも心許ないってことだよな。
全日空はチームワークの会社ですマンセー的な本が売ってた気がするけど、実質的に何らダメージを受けないからチームワークでゴリゴリやってしまっているなんて素敵。
3. 判例
「直ちに従前業務に復帰ができない場合でも、比較的短期間で復帰することが可能である場合には、休業又は休職に至る事情、使用者の規模、業種、労働者の配置等の実情から見て、短期間の復帰準備時間を提供したり、教育的措置をとるなどが信義則上求められるというべき」
とある。
すなわち、「前に欠勤が多かったという理由だけで解雇にはダメよ」という判例が出ていることは大きいと思う。
裁判所は過去の判例を重視するし、言わずもがな同じ会社が同じ手法で違法行為をしていたら相当に心証が悪いはずだけど、今でも同じことように社内で常軌を逸した退職強要、やってないですよね? まさか、持株会社になって別会社だから前の経営のことは知りませんとか言うなよ?
しかし、厚生労働省のパワハラ対策サイトに「全日本空輸事件」って固有名詞を挙げられてるってことは、役所側は相当悪質と判断してるんだろうと想像する。素人目に見ても、この方特有の事例だったのではなく、組織ぐるみですげー手慣れてるように見えるし。
マスゴミを広告宣伝費で黙らせることはできても、役所はムリだったってことですなwww
あんしん、あったか、あかるく元気!
そんじゃーね。
PS: 関係ないけど全日空は緊急脱出訓練のことをエマ訓っていうんだね。日航は確かDDあるいはDと言ってたはず(Ditching Drillの略で、着水訓練から転じた略語)。
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shibuyade
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